
日本外科学会定期学術集会に参加してきました
こんにちは。外科医のもぐたんです。
今回は少し学会の話をしてみたいと思います。
2025年4月10日から12日にかけて第125回日本外科学会定期学術集会が仙台の国際センターを中心に開かれました。
日本外科学会といえば、とても歴史が古く1899年(明治32年)に第1回の外科学会総会が開催されたんだそうです。
日本で最も権威のある学術集会といっても過言ではないでしょう。
外科、というと一括りになってしまいますが実はとても広い分野で、
私の属する消化器外科(腹部内蔵)はもちろん、乳腺外科、呼吸器外科、心臓外科、血管外科、頭頚部・体表・内分泌外科、小児外科、外傷外科と様々です。
それが一同に介するのが外科学会の学術集会なんですね!!
いろんな学会がありますが、最近は消化器外科であれば消化器だけの学会がほとんどなので、他の領域の外科の先生とご一緒するのは不思議な感じです。
といっても学会期間中に特別絡むわけではないんですけどね。
日本外科学会の会員数はなんと4万人だそうです。
自分の周りの外科医の数を考えると、とても多い感じがしてしまいますが、全会員いれてもSNSではプチインフルエンサー程度の数ですね笑
消化器外科医で言えばもっと少ない…。
でも私もいつかそのくらいのフォロワー数を目指して医療情報を発信していきたいです😂
杜の都 仙台での開催
仙台、良い街ですよね~。
実は、私後期レジデント(今でいう外科専攻医)の時に仙台に2年間住んでたんですね。
自大学で初期研修を行った私は全然自分のルーツとは違うどこかで外科医としてスタートしたくて。
結果、選んだのが仙台でした。
ここらへんの経緯は後日語ることにしましょう☺️
それにしても杜の都 仙台。
良いところですよね。(2回目)
駅から国分町の繁華街まで歩けて、その周囲に生活する上で必要なものは大抵何でもあって。
なんならどこまででも歩けるんだけど、地下鉄やバスを乗り継いでも移動できちゃったりなんかして。
そして大通りは自転車と歩道が分かれていて、しかも広い!!
駅前は碁盤目状で動きやすい!!
とても便利な街です。
セカンドライフ、サードライフで生活したい街の1つです。
って、なんの話をしてるかわからなくなったので学会の話に戻しましょう。
学会の様子

https://jp.jssoc.or.jp/jss125日本外科学会定期学術集会HPより引用
今回は学会ポスターをみていただくとわかるように、皆様御存知の荒木飛呂彦先生にポスター絵を依頼したんだそうです。
多様性が示されているとても素晴らしい絵ですよね!!
まーその依頼料が会員費から出てる云々カンヌン、すったもんだみたいな話もあったようですが、私的には楽しかったので良しとします笑

なんと会場の休憩所には「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画が置いてありました。
学会会場は駅前のウェスティンホテルと、東北大学のキャンパスや市内を見渡せる伊達政宗像のある丘にある仙台国際センターが主な会場として使われました。

桜がちょうど良い季節でした。

地図で見ていただくと、実は歩くには少し不便な距離なんですよね。
でも規模の大きい全国学会などではよくあることで、巡回バスが回ってくれたりします。
しかし、バスも1時間に4-5本で、前の便が満員になったら次の便をお待ち下さい。とかで結構待ったりするんですよね。
そんな時に私が使うのが、

テッテレー♪ じーてーんしゃー♪
そう、レンタサイクルです。
都市圏?には乗り捨て型のレンタサイクルが結構あって、私は学会のたびに利用しています。
タクシーとかワンメーターくらいの距離だったりすることも多く、もったいないなと以前から考えていて、自転車でしか見れない風景などもあるので結構おすすめですよ♪
仙台にはDATEバイクという赤い自転車のレンタサイクルがあって、大いに利用させてもらいました。
DATEバイクのサイトはこちらから↓↓(案件とかではないです笑)

昔を思い出しながら走るのは懐かしい気持ちになり、とても楽しかったです。
学会の様子2
そうそう、学会の様子でしたよね。
これではただ仙台に遊びに来ただけですよね笑
まーそれでも良いんですけど。
ちゃんと研鑽も積んできましたよ。
私は学会の目的は主に3つあると考えていて。
- 自らの発表の場:
- 言わずもがなですね。自分が発表するから学会に来ることが出来ます(基本的には…)。
- 新しい知見、技術の研鑽:
- 日本や世界の最先端、最新医療、エビデンスがどうなってるのか。医学の世界は日進月歩、研鑽は欠かせませんね。
- 専門医や資格の申請のためのクレジット:
- 学会で認定されている専門医、認定医の資格の申請項目の中に学術集会での発表や参加の義務があることが多いのです。それらの項目を達成することで初めて専門医の申請を行う条件が揃うようになっています。
まー裏の第4の目的(?)としては知り合いと集まって情報交換(要は飲み会)もありますが…。
それは御愛嬌ということで☺️
楽しみがないと人生つまらないですからね笑
といっても結構重要な情報交換が行われることもありますので侮れません😂
今回私はいつもと少し趣向の違った発表を行ってきました。

https://jp.jssoc.or.jp/jss125 日本外科学会定期学術集会HPより引用
特別企画の1つで「デジタルイラストレーション」の講座があったので受講してきました。
外科医は手術を行ったら手術記事を書きます。
その際に手術時の状況のシェーマ(絵)を描くんですね。
最近はデジタルで描く人が増えてきています。
デジタルメディカルイラストというものを、要は絵を描く、ということを学問の観点からみた講義はとても新鮮でした。
ただ、絵を描けば良いと思っていてごめんなさい😂
ただ描くだけでなく、
「見て学び、描いて覚え、見せて伝える」
だそうです。
今回、講義をしてくださったレオン佐久間先生が師匠から教わった語録なんだとか。
これで今後のオペレコ作りに精が出ますね!!

オペレコアワードなるものもあって、色んな先生の上手なシェーマを拝見してとても勉強になりました。
余談ですが(いや、むしろ本編笑)、もちろん自分の専門領域の肝胆膵の先生方の発表も色々聞いてきましたよ。
難しい領域が故、症例の多いハイボリュームセンターでしか出来ない発表も多々ありますが、学んで自分で出来ることは少しずつ患者さんに還元していきたいですね。
まとめ
今回は日本外科学会学術集会に参加してきました。
なんだかんだ仙台を離れてから仕事で来ることは10年以上なかったので、学術集会の開催地が仙台ということで、私自身にとっても思い出深い学会になりました。
学びを活かして、自分の診療に繋げていければと思います。
デジタルメディカルイラストレーションに関してはこれからますます注目されるテーマの1つになるかなと思っているので今回学べてとても良かったです。
なにかの機会で披露できるレベルに到達できればと考えています。
学会から1ヶ月たち、アーカイブ配信されるようになってきたので自分の中でのリマインドの1つとしてブログという形にしてみました☺️
それでは、さよなら、さよなら、さよならー☺️
今日のもぐったー:
学会参加って実は結構めんどくさいんです。通常診療外にデータをまとめて、どのような発表にしようか考えて、あらすじ(抄録といいます)を書いて演題登録して、演題が通ったら、発表のための準備をして。実際に現地に赴いて発表する。最近はweb参加やアーカイブ配信も増えてきましたが私は現地が好きです。しかし時間も労力も取られます。論文や研究も同様です。それで得られるものが特別多いわけでもありません。なんでやってるんだろうと思うこともあります。ただ、普段の診療ではなかなか経験出来ないことを知れたり、その分野のトップナイフの先生の話を聞いて、場合によっては知り合いになれたり。自分の世界が広がる楽しみがあります。専門医などを取得してからは、あえてそこに踏み込んでいかなければあまり関わらずに生きていくことも出来ますが、個人的には結構好きなんですよね。単純に医学という学問(特に今は肝胆膵)が好きなんでしょうね。もちろんまず第一に日常診療があるのですが、外科医を続けていく以上、その気持を忘れず自分の中でノルマを課して参加していければ良いなと考えています。