
シリーズ人体「命とは何か」をご覧になりましたか?
こんにちは。
外科医のもぐたんです。
2025年6月15日に放送されたNHKの人体シリーズご覧になりましたか?
以下はNHKスペシャルのURL↓↓↓

元々は一週間前の6月8日に放送される予定だったのですが、故・長嶋茂雄さんの追悼番組に変更してされたので1週間延期されていたようなんですよね。
1週間待ち遠しかったですねぇ。
いや、別に毎回見てるわけではないんですが、最終回。
となると見たくなってしまいます。
ヒトって現金ですよね😂
人体シリーズは医学、というより科学というイメージが強いので臨床医の自分にとってはほぼほぼ素人なので、単純に暇人が見た感想になりますが、つらつらと感じたことを。
第一印象はどう?
まず、映像美が素晴らしい!
CGがすごい。
NHKのスペシャル番組系の映像ってとても綺麗ですよね。
やはり予算かかってるのかな?
すごく細かく艶やかで色んな細胞、キャラクターがあって。
その存在が、今までの研究を基にわかってきたことが、視覚的に再現されているって単純に凄いことですよね!
実は1つ1つの動きなんかもちゃんと監修されているのではないかと勝手に期待しています笑
オープニングからツッコみ
まず、おっさん(おじいさん?)のお祝いケーキの火消しから始まります。
誰が見たいんですか😂
もう少し絵になる綺麗な女優さんとか使いましょうよ。
まー本筋とは関係ないからこころへんにしておきましょう。
本編に入りましょう。
医学の基礎の中に細胞生物学という分野があり、正にそこの分子細胞生物学の最新研究の内容ですよね。
命の最小単位、「細胞」。
高校の生物とか、大学の細胞生物学でやりましたよね。
単位落としたら留年だったなぁ…。
遺伝子、細胞内小器官、単細胞生物、多細胞生物。
遺伝子から細胞や細胞内キャラクターが作られて、たんぱく質を作られて、組織になって、機能して、それらが無数に連動して。
文で書かれてもいまいちピンと来ないし、暗記して覚えてもあまり入ってこないので苦労しましたが、当時このようなCGなどあればもう少しとっつきやすかったかなぁ。
最小単位である「細胞」が命の根源を司っていると思いきや、細胞内でさらに細胞内キャラクターという存在がある。
というところから始まります。
それが神経伝達物質を運搬したり、ネットワークが作用することで生体活動が行われる。
さらにそれが十分に働けるように育てるシャペロンという物質がある。
そのまたそのシャペロンを育てるシャペロンがある、以下エンドレス…笑
命のない物質が命を育てる手助けをする。その命のない物質を命のない物質が育てる。という、
なんとも衝撃的でした。
映画「働く細胞」で骨髄で各芽球が育てられて、各血球に成長していくのを連想しました。
血小板ちゃん可愛かったですよね☺️(そこではない😂)
「働く細胞」では身体単位(映画では芦田愛菜さん)で行われていて、
しかし、それが身体単位でなく、細胞単位で行われていて、しかもその面倒を見ているものは命ですらないという…。
もはや「命」ってなに…😂
あ、いや、それを勉強する番組ですよね。
さっきの細胞内キャラクターを育てるもの(シャペロン)を育てる、ナニカを育てる、そのナニカを育てる、ナニカを育てる…と続けば最終的に1つのものに収束していきますよね。
それって細胞、ましてや細胞内キャラクターですらないしなんと呼ぶことになるんでしょうか。
生きてるうちに証明されるのかな笑
起源となる細胞の成り立ちはどうなっているのか
前回の第Ⅲ集では40億年前の最初の細胞、最終共通祖先LUCAが紹介されました。
しかし、その祖先細胞も何らかの遺伝情報、細胞内キャラクターが生成されてできたわけです。
番組内では、単純な遺伝情報の衝突を繰り返し、偶然的に機能性のある細胞内キャラクターが生成され、それらがさらに衝突を繰り返し、偶然連動するようになった。
その結果、1つの細胞が出来上がった。
との紹介がされていました。
なんか、宇宙の始まり、ビッグバンみたいですよね。
「無」から「有」が作られる瞬間、宇宙もそうですがとても神秘的で哲学的です。
それが1つの人体単位でも行われている。
起源はどうなっているのか。
正に「神のみぞ知る」ですね。
今度はさらに未知のダークプロテインの存在が見つかった
人間がゲノム情報を全て解析して、全て終わった!!
ということはなく、今度は別の未知のものが関わっている。ということがわかったんだそうです。
その未知のものは”ダークプロテイン”と名付けられたそうです。
ダークプロテイン?
とか急に言われても全くサッパリわからない分野ですが、
ダークプロテインがある事で同じ遺伝子情報で読み取りの仕方を変える事で、1つの遺伝情報の中から別の細胞内キャラクターが出来るとのこと。
遺伝子情報の読み取りの工夫の仕方はなぞなぞみたいで面白かったのでぜひ、番組をご覧になってみてください☺️
ただ、すごいのがこの役割があるかないかで、広がりがさらに無数に広がってしまうことですよね。
だって1つの遺伝子情報に対して何通りの生成の仕方が出来るようになってしまうわけですから。
モノグラムで暗号解いたら、別のルールのモノグラムが…以下エンドレス笑
全然関係ないですけど、福岡の国際会議場で山中先生が一発表者として発表している姿を見て、ノーベル賞受賞者もやっぱり一研究者、学術界の人間なんだな、ととても親近感が湧きました😂
いや、おこがましいけど。
自分は絶対なれないけど笑
でも同じ医師免許を持った人間ではある。
でも、学会でよくいく国際会議場の第一ホール(だったかな)で普通に発表してるんですもの。
医師でもし、そのような研究の未知に進む人がいるとしたら、それは1つの目標としては最高ですよね!!
実際どう生活に影響するのか
話はまた内容に戻りまして。
こんな細かい細胞レベルでの出来事が実際どう自分たちの生活に関わってくるのか。
研究内容だけみると、さっぱり実生活との繋がりがイメージできませんが、そんなことはないんですよね。
番組では医学との関連に関してIPS細胞から作られる肝細胞で肝臓の代替の体外循環装置について紹介されていました。
これは本当に素晴らしいアイデアで。
実臨床で肝硬変、肝不全の患者さんを相手にしている自分にとっては夢のような装置です。
だって今まで移植以外に救命出来る方法はなかったんですから。
腎臓における透析も同様ですが、機能を代替出来るなんて本当に夢のような話だと思います。
そのうち自分の細胞を使った移植手術、なんてものも出来るようになるのかと考えてしまいますよね。
実臨床でも以前に比べ、遺伝子を調べて、そのレベルでの治療が行えるようになってきています。
癌に対する分子標的薬など正にそれなわけですけど。
こういうものは細胞レベルでの理解が進んでるから治療として発展していくわけで。
医学・科学の進歩とは本当にすごいなと実感します。
まとめ 命とは何か
哲学ですよね。
こちらの番組の総括はぜひタモリさんと山中先生の最後の掛け合いをご自身で見て楽しんで頂きたいところではあります。
命のあるものを命のないものが形成していくという事実。
これらが細胞を生んで、これが生物の形をなし、精神活動を伴う生体活動を行うわけです。
命でないものから、最終的に知性を持ち「考える葦」になるんですよ。
それが生物1個体ずつ、生体内で行われていると思うと凄すぎて言葉になりません(語彙笑)
“この奇跡を普通に生きましょう”
タモさんの言葉が素朴だけど、とても素敵で、とてもタモさんらしいなと感じました。
今の地球上の全ての技術とお金を惜しみなく使っても、1個体ですら決して作り出すことのない人体。
日々生きていることそのものがどれだけ素晴らしい奇跡の連続なのか。
そんなことを考えながら日々生活をしてみると、世界がまた違った見え方をしてくると思いませんか?
お時間ある方はぜひご覧になってみてくださいね。
NHK+で2025年6月22日まで視聴できるようです。
ご興味のある方はぜひ↓↓↓(案件ではありません笑)

それでは、また次回。
さよなら、さよなら、さよならー☺️
今日のもぐったー:
シリーズ人体、面白かったですね。これで終わってしまうのは残念ですが、機会があれば再放送を録画なんかしたりして子どもが理解出来るようになったらまた一緒に見てみたいですね。その時に科学はまたすごいスピードで進化しているんでしょうけど笑 医学生の時に「人体の不思議展」というものが全国を回って展示されていました。脳や肝臓などの各臓器、血管、解剖の構造など、身体の構造と機能を視覚的に見れる展示だったんですが、すごく興味深くて当時のパートナー(妻ですが笑)とわざわざ観覧しにいき熱心にみていた記憶があります。驚くべきことにそれらは全てご献体から作られた標本だったんですよね。とても感謝をしながら勉強させてもらったな、ということを不意に思い出しました。感銘の受け方次第では研究者・科学者という道もあったんでしょうか。…いや、ないか…。そんなに賢くないし、やっぱり患者さんとお話している方が好きかもしれません笑