
身だしなみのポイント
こんにちは。外科医のもぐたんです。
前回に引き続き、消化器科を受診する際の服装や身だしなみのポイントについて解説していきます。
前半は、
- 医師との対面診察時
- 腹部超音波検査(エコー検査)時
- 胃カメラ検査時
について解説してきました。
前半戦はこちらから↓↓↓
後半は、
- 大腸カメラ検査時
- バリウム検査(胃部X線検査)時
- CT/MRI検査時
について解説します。
大腸カメラ検査時に気をつけるポイント
大腸カメラは肛門からスコープを入れて行う検査ですが、検査の特性上検査着に着替えることが多いです。
ボトムスは下着も含め、検査用の紙パンツに着替えることになります。
トップスは検査着に着替えることもあればそのままの服で行うこともあるようです。
クリニックに確認してみましょう。
胃カメラの検査時と同様に腸に空気をいれる検査になりますので脱ぎ着しやすい方が良く、おなか周りを締め付けない服装が良いでしょう。
生理中のときは、検査着の用意や対応が必要になる場合があります。心配な場合は事前にスタッフに相談しておくと安心です。
バリウム検査(胃部X線検査)時に気をつけるポイント
バリウム検査は検診や人間ドックで行われることが多い検査です。
肛門から造影剤を注入するバリウムの検査もありますが今回は検診で多い胃部のバリウム検査に焦点を当てていきます。
X線を用いた検査になりますので、服についているボタンやファスナー、ラメやビーズの飾りは撮影した画像に映り込むことがあります。
上記が含まれないシンプルな服装(ボタンやファスナーのないもの)が良いでしょう。
検査着に着替えて行うこともあるので他の検査同様脱ぎ着しやすく着替えやすい服装が良いでしょう。
検診車で行う場合はそのままの服装で行うことも多いようです。
検査台で横になったり、体勢を変えたりするので、動きやすくてお腹を締め付けない服装がおすすめです。
締め付けが強すぎるものでは胃の形が変わってしまうかもしれません。
X線を用いた検査のため妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、必ず検査前に医師やスタッフに申し出てください。
CT/MRI検査時に気をつけるポイント
CTやMRIはともに臓器や血管を撮影する検査ですが、それぞれの検査で用いる原理や媒体が異なります。
詳細は検査の記事にまとめますが、CTではレントゲンと同様放射線(X線)を用いて、MRIは磁気と電波を用いるため注意するべき点が異なります。
CTはX線を使った検査なので、ボタンやファスナーがないシンプルな服装がベストです。
レントゲン検査に比べると被爆の量も圧倒的に多いので、妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、必ず検査前に医師やスタッフに申し出てください。
MRI検査は磁気を使うので、金属製のアクセサリーやワイヤー入りの下着などは外す必要があります。
ピアス、ネックレスなどのアクセサリー含め、腕時計、メガネ、入れ歯、補聴器や、金属が含まれるブラジャーのワイヤーなど肌に接する部位でやけどを起こす可能性があります。
湿布や貼り薬も同様にやけどの危険性があります。
カラーコンタクトレンズ(通常のものは問題なし)、アイシャドー、マスカラ、ネイルアートなどは一部金属成分が含まれているものがあるため避けましょう。
ヒートテックなどの機能性肌着と呼ばれる製品は、強い磁場エネルギーを受ける際にやけどを起こすことがあり、脱ぐ必要があります。
まとめ
消化器科で行われる検査にはさまざまな種類がありますが、服装や身だしなみで気をつけたいポイントは次の通りです。
- 服装: 上下セパレートで脱ぎ着しやすく、お腹を出しやすいシンプルなもの(金属やファスナー、ラメがないものがおすすめ)
- 靴: ヒール等のない転びにくく、脱ぎ履きしやすいものを選びましょう
- 金属類: アクセサリー、ピアス、腕時計、下着のホックなどは外しておくこと
- ネイル・メイク: 検査によっては避ける、または薄めにしておくのが安心です
この記事をお読みになって、検査の内容に合わせて準備や服装を整えることでスムーズに診察、検査を受けることが出来ます。
病院での時間を有意義に過ごせるよう、この記事が参考になればと思います。
分からないことがあれば、ぜひ検査を行う病院やクリニックの医療スタッフに気軽にご相談ください。
今日のもぐったー:
昔研修医の頃、救命センターで当直してた時に近くでモトクロスの大会が行われていて、クラッシュして運ばれてきた患者さんがいました。もちろん重症患者で全身の評価が必要になります。その時に着ている服が検査や処置の邪魔になってしまうので、意識がない、動かせない、脱がせられない、などの理由で上から下まで切らなければならないことがあります。本格的なモトクロスのユニフォームなどは、ん十万もするような高額なものもあるようです。しかし体に密着していてとても脱がせられるものでもなく…。「切らないでくれー!!!!!」という叫び声が初療室に響き渡る中、ジョキジョキと切らざるを得ませんでした(合掌🙏) とても気持ちがわかりますが、”命あっての物種”ではあるので、医療者側は躊躇出来ません。重症の患者さんで時間はかかっていましたが、無事に自宅退院されていましたとさ。
コメント