
こんにちは。外科医のもぐたんです。
前回に引き続き医療ドラマ「まどか26歳、研修医をやっています!」の最終話をリアタイで視聴してみました。
前回のお話はこちらから↓↓↓
まどか26歳、研修医をやっています!ってなに?
原作のあらすじをまとめるとこんな感じ↓。
「手術がしたい!」と外科医に憧れた研修医・若月まどか。
しかし、待っていたのは カップラーメン生活・睡眠4時間・極寒の手術室!
カリスマ医師には「やめちまえ!」と叱られ、恋愛どころじゃない激務の日々。
それでも負けずに成長していく、奮闘ドクターライフ!
先週の第9話の放送では、
研修医生活も終盤。桃木と萌は進路を決めたが、千冬や五十嵐は未定。
まどかは外科志望だが、指導医・菅野の退職に動揺する。
そんな中、腎臓がんで再入院した橋口が手術を拒否。
まどかたちは彼を励ますため、角田の患者ノートをヒントにサプライズを計画する。
悩みながらも最後のローテーションに外科を選んだまどか。
一方、菅野は引越し準備のため一時帰院する——。
各々の進路が決まりつつある中で、9話の途中で腹痛(みぎ側腹部痛)を訴えていた、泌尿器科部長の角田先生がQQ車で運ばれてくる——。
というわけで、最終話になります。
最終回どうだった??
最終話のあらすじはこんな感じ。
膵臓がん(ステージ1)と診断された角田は、執刀医に菅野を指名。
一度は承諾するも、手術の難しさと角田への想いから辞退を申し出る。
まどかは彼を励まし、決意を後押しする。
手術直前、工事現場の事故で救命が混乱。城崎は菅野のチームに重要な決断を下す。
一方、まどかは末期がん患者・吉岡を気遣い、清桜病院を支えたいと計画を立てる。
医師不足の噂が流れる中、ベテラン勢も病院存続のため決断。
そして、ドクターKの秘密、まどかの恋の行方、最終的な進路が明らかに——。
医局長の角田先生、膵癌でした。
こういう場面って、膵癌→膵頭十二指腸切除術が鉄板な気がします。
やはり難しい癌、難しい手術というイメージがあるからなのでしょう。
私の専門領域でもあります(まだまだ勉強中の身です)。
だから、突っ込みたくはなります笑。
細かい設定をいうと、へりくつじじいみたいになるので避けますが、あえて言うのであれば(結局言うんかい笑)。
手術当日にQQ現場が荒れてしまい、外科の上級医の西山先生が手術に入れず、菅野先生の同期のQQの先生と麻酔科の先生で手術を執り行うことになります。
これは現実ではほぼないといって良いでしょう。
膵頭十二指腸切除術のような肝胆膵高難度手術は肝胆膵高度技能専門医が行う、もしくはその修練施設で行うことが推奨されているからです。
それこそ”失敗しない”ためにです。
このようなケースの場合は予定手術であれば延期するでしょうね。
日本肝胆膵外科学会から参考引用:
お近くの修練施設、専門医を探したい方はこちら(私もいるかも!!??) ↓↓↓
菅野先生の年次は公開されていないので定かではありませんが、外科専門医をとった後くらいなんでしょう(外科専攻医は外科専門医を取るまでの肩書で、外科専攻医という肩書はないため。そうすると取得後の6-8年目くらいかなと推測)
ちょうど手術をやりたい盛りではありますので、普段ならアドレナリンが溢れまくって
「やらせてください!!」という気概かと思います。
それが、知り合いの、さらに自分の職場の上級医であれば、躊躇してしまうのは自然な反応かもしれませんね。
私が初めて膵頭十二指腸切除術を執刀させてもらったのは5年目のことでした。
思えばだいぶ早くからチャンスを頂いていたなと思います。
そして、まどか先生は最終的に泌尿器科を選択します。
とても良い選択肢の1つだと個人的に思いました。
まず、作中で出てくるように、手術をしたいまどか先生にとって泌尿器科は外来、検査、手術、術後管理、悪性腫瘍の場合は緩和ケアまでtotalで患者さんの人生に寄り添うことが出来ます(外科医もそうなんですけどね…)。
そして外科よりオンコールや緊急などで呼び出される確率が圧倒的に少ない(これは外科との大きな違いの1つ。外科が人気ない理由No1😂)。
何より女性のニーズが実は多いのです。
前立腺や膀胱癌などのイメージがあり男性の科のイメージがありますが、女性の方が尿道が短く膀胱炎になりやすいですし、骨盤周りのトラブルは女性に多いです。
そんな時に同性の女医さんに診てもらえるのは心強いですよね。
肛門科も同様に考えていて、専門のレディースクリニックなんかとても需要があるのではないかと勝手に思っています。
実際のクリニックが流行っているかはわかりませんし、考えたところで私は出来ませんけど笑。
最後はプライベートでは菅野先生と仲睦まじく、仕事は泌尿器をバリバリと。といったところで締めくくられます。
感想まとめ
研修医生活ってなかなか難しいんですよね。
プロとして医師免許持ってるのに扱いは半人前で出来ることも少ない。
というか責任を持ってやらせられない。
指導医も色々やらせてあげたい。
けど、人の命を扱うため何かあっても軽々しく責任を取れるものでもない。
しかし、研修医が終わり3年目になったら唐突にほぼ丸裸の状態で社会に放り出される。
そんな感覚に陥ります。
本来、大学4年生が社会にでて新卒で味わう感覚をそこで初めて味わう感じかと思います。
それを27歳あたりで味わうので、全然良いじゃん!!と思うかもしれません。
ただ、それは人の命と結びついているため常に訴訟のリスクと隣り合わせになります。
毎日の一挙手一投足が訴訟のリスクを抱えることになります(実際医師はこれくらいの認識で診療にあたっています)。
これはあまり理解されない感覚で、医療従事者でかつ、責任の前面に立たせられる医師ならではの感覚かもしれません。
そうならないために少しでも守られている間に実力をつける期間が研修医の2年間なのです。
以前はどんなに低賃金でも勉強(よく言われる自己研鑽)で病院に残ったり、患者さんのところに顔を出したりしていましたが、今は働き方改革でそれも出来ません。
そこで、やりたいけど、出来ない、扱い難しい、お客様、足手まといなどのジレンマを抱えることになります。
今回のドラマでは、それがうまく表現できていたのかなと思います。
もちろんその状況に甘えてしまい、人生甘々easyモードっぽい感じも含めてです。
ただこの2年間で医師としてのベースが定まり、3年目以降でどのようなキャリアを築くかの礎になる大事な時期なのは間違いありません。
毎年研修医を指導していますが、自分の選択に後悔のないように進んでいってほしいなと思いながら指導に当たっています。
まどか先生たちのこれからの医師人生に幸がありますように。
それでは、また次回をお楽しみに。さよなら、さよなら、さよならー☺️
今日のもぐったー
医学生や研修医の頃みていた医療ドラマや漫画では、こういう時にはこうなるのか、とか、この疾患の治療はこうするのか。などというのを学んでいました。メディアに出る作品は必ず医療監修が入ります。変な知識は世に出せないため教科書に沿った内容になることが多いのです。そのため進級試験や国家試験などのときの知識の定着にはとても有用でした。中高生が見ても勉強になることも多く、私自身多くのことを学んできたと思うので子どもにも勧めます。しかし今では医療モノを観ると、医療監修は誰がやってる、どこの大学が手伝っている、撮影協力はここの病院だった。なんて方が気になります笑 これも成長した(ただ年を食った)証なのでしょうか笑
あ、もちろん私自身は医療監修など大歓迎なのでいつでもオファーをお待ちしております。それでは、また。
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